最終更新日:2021年12月27日

自己破産とは?

自己破産とは

自己破産とは自分が持っている収入や財産がないことを裁判所に認めてもらうことを指しています。
なぜそのようなことをわざわざ来てもらうのかと言うと、自分が作ってしまった借金の支払いの義務を免除してもらうためです。
どれだけ借金があっても自己破産をすればその借金は支払わなくても良くなるのです。

自己破産の種類

一言で自己破産とはいってもいろいろな種類があります。
自己破産は同時廃止、管財事件、少額管財の3つの種類に分けることができます。
自己破産の中であなたがどの手続きになるかは、現在の経済状況や借金額によって異なります。
それぞれについてしっかりと確認していきたいと思います。

なお、どれに該当するかは自分で決めるのではなく裁判所がルールに則ってしっかりと決定しています。

少額管財事件

管財事件の中には「少額管財事件」と呼ばれるものがあります。
これは管財事件よりも手続きが簡易化されたものです。
管財事件が大ごとですぐに手続きが完了しないことは先ほど説明した通りです。
そんなときに利用されるのがこの処分であり、少額管財事件であれば裁判所に納める予納金が少額で済むのです。
しかしこれは誰でも無条件に利用できるわけではなく、基本的に弁護士が申立代理人となっていることが前提です。
ここはしっかりと押さえておきましょう。

同時廃止事件

同時廃止とは、あなたに貯金や車、不動産などの財産がない場合に行われる手続きのことを指しています。
自己破産の中でも管財事件と呼ばれる処理では、持っている財産を換価処分してお金を貸してくれた人に分配する手順を経ます。
しかしあなたに財産がない場合にはこの換価処分を行うことができませんね。
そこで利用されるのが同時廃止ということなんです。
さらに管財事件の場合は「破産管財人」といって換価処分する人を裁判所が選任し、その破産管財人への報酬も発生します。
しかし同時廃止の場合には破産管財人は選任されずに手続が終了するため、手続き終了までの期間は短く余計なコストも抑えることができるというわけです。

管財事件

それでは管財事件とはどういった処理になるのでしょう?
これはあなたに財産がある場合や、借金をする原因になった事項がギャンブルの場合など「それは自己責任だよね」という場合に利用される手続きです。
管財事件となると裁判所から選任された「破産管財人」が、あなたの借金について原因などについてしっかりと調査を行います。
そして財産を処分してお金を貸してくれた人に分配するのです。
管財事件では破産管財人への費用も支払う必要があります。
そのため同時廃止より費用がかかりますし、手続き終了までの期間も長くなってしまいます。

任意整理・個人再生との違い

自己破産と同様に債務整理をする手続きとして、他に「任意整理」と「個人再生」というものがあります。
どちらも返済能力のない債務者を救済するための制度という点では同じですが、前者の場合は主に借金の利息の減額などを債権者と交渉して、債務者が返済をしていけるように促すものです。
後者は返済金の減額や期間の調整などの返済計画案を裁判所に認可してもらう手続きです。
一般に任意整理は最終的に減額できないケースも多く、個人再生の場合はより自己破産に近く、返済能力がかなり低いとみられる場合にとられる措置です。

自己破産のメリット

借金がなくなり、取り立てから解放される

借金をしている人の中には、貸金業者からの取り立てにストレスを感じている人も多いと思います。
もちろん借りたお金を返さない自分が悪いと言われてしまえばそれまでなのですが、それでもしつこく取り立てられるとうんざりしてしまいますね。
自己破産の手続きを弁護士に依頼すると、間に弁護士が入ってやりとりをしてくれることになるので債務者本人に債権者からの取り立ての連絡がくることはなくなります。
債権者との直接のやり取りは弁護士が行ってくれますので、ストレスから解放されるでしょう。

無職や生活保護者でも申請できる

自己破産をするとこれから生活保護を受け取ることができなくなると誤解している人も少なくありません。
また生活保護を受けていると自己破産をすることができないと誤解している人もいるようです。
しかし自己破産をしたことで年金や生活保護を受けられなくなることは絶対にありません。
ただし生活保護により受給したお金を借金の返済などの債務の弁済に充てることは認められていませんから注意しましょう。
それさえしっかりと把握しておけば、恐れる必要はありません。

借り手が訴訟を提起できなくなる

自己破産をすると、借り手が訴訟を提起することができなくなってしまいます。
例えば借金を滞納してしまった場合にはお金を貸してくれた人は財産を差し押さえるための訴訟を起こすことがあります。
しかしあなたが自己破産の手続きを行うことで、この訴訟の手続きができなくなってしまいます。
これによりあなたの財産が守られることになるのです。
自己破産をすると借り手が訴訟を提起できなくなると言う事は、しっかりと覚えておいてくださいね。

借り手がすでに起こした訴訟が中断される

もしあなたが自己破産をすると、お金を貸してくれた人が既に訴訟を起こしていたとしてもその訴訟は途中で中止されます。
これも法律により決められていることで、自己破産をしている人を相手に訴訟を続けてはいけないルールとなっているからです。
ただし自己破産をすると一切借金を返さなくて良いと言うわけではなく、あなたが処分した財産の一部が返還されることになります。
あなたが持っている車や住宅、ブランド物は売られてしまってその代金がお金を貸してくれた人の返済に当てられると言うわけです。

一定の財産(自由財産)は残すことができる

自己破産と聞くと、自分の大切なものが全部没収されるイメージを持っている人も多いはずです。
しかしそれは極端なイメージです。
というのも自己破産の手続きが完了した後でも、その後の生活をしていくのにある程度の財産が必要になりますよね。
ですから生活をしていくのに必要な範囲で財産を残すことが認められているのです。
これは『自由財産』と呼ばれるものであり、一定の財産については自分の手元に残すことができるというものです。
自己破産すると自宅も生活費も奪われるということは誤解です。

手続き完了後の財産は一切回収されない

また自己破産後に得た財産は回収されることはありません。
自己破産というと、破産した後に築いた財産も全て没収される考えている人もいるようですが、そんなことはないのです。
自己破産後に得た収入はすべてあなたのものになります。
つまり自己破産の手続きが完了した後に得た財産が回収されるということはありません。
もし給与を差押えられている場合も、自己破産をすれば差し押さえの効力は失われます。
自分の生活を立て直すことができるのです。

借り手が財産を差し押さえることができなくなる

自己破産をすると、お金を貸してくれた人はあなたの財産を差し押さえることができなくなります。
一般的に借金を滞納するとあなたの財産は差し押さえられ、あなたの手元にあるにもかかわらずあなたが自由にすることができなくなってしまうのですが、自己破産をするとそういった手続きもできなくなっているのです。
あなたの持ち物は裁判所が許可をするまで持ち出すことができなくなるため、自分の財産の保護を行うことができるのです。

自己破産のデメリット

自己破産をしたことが官報に公告される

もしあなたが自己破産をすると、官報にその事実が公表されることになります。官報とは国が発行している新聞のようなものであり、この新聞は誰でも見ることができます。漢方を毎日読んでいると言う人はそれほど多くないと思いますが、自己破産したことが公になので素人思えば知ることができるのです。もしあなたが自己破産したことを徹底的に描くしたいと思っていても、官報にその事実が載ってしまうので隠し通すことができなくなってしまいます。

ブラックリストに登録される

自己破産をしてしまうと個人情報機関に載っている信用情報に傷がついてしまいます。いわゆるブラックリストに登録されたと言う状態です。
もしブラックリストに登録されてしまった場合、新しくローンを組むことが難しくなるのは当然ですが、クレジットカードの新規発行などもできなくなってしまうのです。
信用情報機関に乗った事故情報が消えるまで5年から10年程度必要ですから、それまでの間我慢の生活を強いられることになるのです。

郵便物が調査される

さらにあなたが自己破産を行うと、あなたに届く郵便物も調査の対象となります。なぜあなたの郵便物が調査されるのかと言うと、届いた郵便物は破産管財人によって調査されることがルールで定められているからです。例えばあなたに隠し財産があったとしても、郵便物等で発覚してしまう可能性があります。プライバシーがなくなるような気分がするので嫌な思いをするかもしれませんが、これもルールで定められていることなので受け入れるしかないのです。

破産が市町村役場に通知される(免責不許可の場合)

もしあなたが破産してしまった場合、破産した事実があなたの住んでいる市町村の役場に通知されることになります。その後どうなるかと言うと、市町村役場が発行している破産者名簿にあなたの名前が記載されることになってしまうのです。ただし免責が不許可になった後に復権を得ることができれば、一度なってしまった破産者名簿への記載を消すことができます。いつまでも名前が載っているのが嫌だと思うのであれば、まずはここを目指すようにしてください。

保証人・連帯保証人が借金を肩代わりする

あなたが借金を返せなくなって自己破産をしてしまうと、あなたの借金は保証人や連帯保証人が返済しなければいけないのです。
あなたは返済する義務がなくなるので返さなくても良いのですが、保証人や連帯保証人に迷惑をかけてしまう日は否めないでしょう。
保証人や連帯保証人がその借金を支払えない場合、その保証人や連帯保証人も破綻せざるをえなくなってしまうかもしれません。
自己破産をすると保証人や連帯保証人に大きな迷惑がかかってしまうと言う事は忘れないでください。

家族に自己破産の事実が知られることがある

もしあなたが自己破産をした場合、家族にそのことが知られてしまう可能性が十分にあります。破産をしたからといってそのことが必ずしも家族に知られると言うわけではありませんが、自宅には裁判所からの自己破産通知が届くことでしょう。自己破産をしてしまった場合は、その後の生活を立て直すために家族の支援が必要になるはずですから、家族に隠しておく事はあまり得策ではないでしょう。できるだけオープンにすることをお勧めしています。

職業や資格に制限がかかる

自己破産の手続きがスタートしてしまうと、以下に紹介する職業にはつけなくなってしまいます。

自己破産の手続き中に禁止されている仕事・職業
  • 士業(弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士)
  • 警備員
  • 生命保険外交員
  • 宅地建物取引主任者
  • 質屋、古物商

もしあなたが現在これらの仕事をして生計を成り立たせているのであれば、自己破産をすることで収入が途絶えてしまうことにもなりかねません。
警備員等はとてもニーズのある仕事ですが、警備員の仕事ができなくなってしまうのは辛いですよね。

住居に制限がかかる

破産者は、自己破産の手続き中は居住地の変更について裁判所の許可が必要となります。
つまり、どこに引っ越すかをいちいち裁判所にお伺いを立てなければいけなくなると言うことです。
もっとも、破産手続きが終了すればこの制限はなくなります。
とは言え、わざわざ引っ越すときにその都度裁判所の許可を得なければいけないと言うのは意外とストレスになるものです。
もしあなたがこれが嫌だというなら自己破産は諦めた方が良いでしょう。

会社には自己破産の事実が知られることもある

もしあなたが自己破産をしてしまった場合、勤めている会社はあなたが自己破産をしたことを知るのでしょうか。基本的に会社にあなたが自己破産したと言う連絡が行く事はありませんから、隠し通す事は不可能では無いかもしれません。ただし勤務先の会社からお金を借りている場合には、自己破産の通知が会社に行ってしまうため隠す事は難しいでしょう。また財産の調査を行うために破産管財人が会社に連絡を取ることもあるため、徹底的に隠し通す事は難しいかもしれません。

郵送物が制限される

自己破産の対象となってしまい、管財事件もしくは少額管財事件の対象となってしまった場合、破産者の郵便物は管財人の管理下に置かレます。
つまりあなたは一度管財人の下に送られることとなり、管財人が中身を確認した上で本人に転送されるようになります。
どうしてこんなことをわざわざ行うのかと言うと、破産した人が隠し財産を持っていないかどうかチェックするために行われるのです。
もし破産のしたことを家族に伝えていない場合、開封済みの郵便物が管財人から送られてくることを不審に思うことでしょう。

自由財産以外は処分される

自由財産以外は原則として処分されます。

自由財産とは、具体的には以下の通りです。
つまり以下の財産は処分されずに残しておけます。

自由財産の例
  • 破産手続き開始語に取得した財産
  • 99万円以下の現金
  • 生活に欠かせない家具、寝具など
  • 1ヶ月の生活に必要な食料
  • 実印
  • 仏像

逆に、自由財産でないため没収されるものは以下の通りです。

自由財産でないため処分される財産の例
  • 20万を超える預貯金残高
  • 99万円を超える現金
  • 退職金(見込み額が160万円を超えた場合)
  • 不動産(ローン残高が評価額の1.5倍に満たない場合)
  • 保険の解約返戻金(20万円を超える場合)

自己破産すると家族や会社にバレるのか?

自己破産をすると会社や家族にそのことがばれてしまうのが怖いので、自己破産に踏み切れないと言う悩みを抱えている人がいます。
自己破産をするとそのことが会社にばれてしまうのでしょうか。
実際のところ、自己破産をしたからといってそのことが会社や家族に通知されるわけではありません。
そのため必ずしも自己破産したことがばれてしまうのかと言えばそのような事は無いのです。
ただし、配偶者にはばれてしまう可能性は極めて高いでしょう。夫婦の場合は隠し切る事は難しいと覚えておいてください。

どんな時にバレるのか?

自己破産をしたことが配偶者以外にばれる可能性はそれほど高くありません。
しかしだからといってばれる可能性が一切ないかというとそのような事はなく、やはり何かの拍子に発覚してしまう可能性は十分に考えられるでしょう。
果たしてどのような時にあなたが自己破産をしたことがばれてしまうのでしょうか。
ここからはあなたが自己破産をしたことが周りにばれてしまう可能性やケースについて考えていきたいと思います。
例えばこんな場合があるのです。

官報に掲載されているのを見られたとき

自己破産をしてしまうと官報と言う書類その情報が乗ります。
この官報と言うのは国が発行している新聞のようなものであり、自己破産をした人の情報が掲載されてしまうのです。
もしあなたの身の回りにこの官報を細かく毎日見ている人がいれば、自己破産をしたことがばれてしまう可能性はありえます。
ただし毎日官報を読んでいる人はそれほど多くないはずですし、自己破産の卵はあまり目立たないようになっているので、この可能性はほとんどないでしょう。

不動産などの差し押さえ調査を見られたとき

自己破産をすると、持っている財産を差し押さえられることがあります。
この財産の中には不動産等も含まれるので、不動産を持っていると自己破産したときに差し押さえられてしまうでしょう。
もしこの差し押さえが行われている現場や差し押さえを行うための調査を行っているときに近所の人にその姿を見られてしまった時、そこからあなたが自己破産をしたことがばれてしまう可能性はありえます。
これは防ごうと思ってもなかなか防ぐ事は難しいかもしれませんね。

免責許可決定の書類を見られたとき

弁護士に依頼した時や、裁判所とやりとりをした時、書類の受け取り先を自宅や会社にしてしまうと、何かのきっかけでそれがばれてしまう可能性が高くなります。
いくら中身を見なかったとしても、自宅にあなた宛の裁判所からの手紙や弁護士事務所からの書類が来ていたら、家族としては怪しいと思うでしょう。
逆に言えば、こういった書類の管理をしっかりと行っていればばれる可能性はほとんどないと言っても良いでしょう。誰にもバレないようにするためには書類の管理を徹底してください。

職場に借金していたとき

もし職場に借金をしていた場合、自己破産をしたことでそれがばれてしまうケースがあります。

自己破産をするとあなたが「もう借金を支払わう義務がない」と言う通知がお金を貸してくれた人すべてのところに行くのですが、もし会社がお金を貸してくれていた場合はその通知が会社に当然行くことになります。そのため職場からお金を借りていた場合、自己破産したことを職場に隠しておく事は絶対に不可能になるのです。こういったケースに該当しなければ自己破産したことが職場にばれる事はほとんどありません。

自己破産できる条件

本当に「返済能力がない」と認められること

前提条件として自己破産をするためには、裁判所にあなたがこれ以上の返済ができないことを認めてもらわなければなりません。
これを正確にいうと「支払不能」といいます。
つまり今持っている借金や、所有する財産、収入などを総合的に考えて上で「それでも返済は無理だよね」と認めてもらう必要があるのです。
破産の申立てをする際に作成する破産申立書という書類には、借金をした時から自己破産申立までの経緯を細かく記載します。
例えば借金総額や内容、資産額、収入の安定性などです。

資格制限に該当する職業についていないこと

資格制限に該当する職業についているも自己破産の許可が降りない可能性があります。
例えばどのような職業がそれに該当するかと言うと警備員、士業、保険・証券会社の外交員といった職業です。
もしあなたが自己破産したタイミングでこれらの職業についている場合、自己破産するまでその職業での収入がなくなります。
これによって収入が途絶えると問題があるという場合には、任意整理や個人再生など他の債務整理も検討することになります。

免責不許可事由に該当しないこと

これは借金を作った原因がギャンブル、風俗であるなど「ちょっとね」と思われてしまうような内容です。

免責不許可事由の例
  • ギャンブル、ショッピングなどの浪費
  • 収入や負債額を偽って借り入れした
  • 意図的に財産を隠した
  • 破産手続の開始を遅らせる目的で隠蔽を行った
  • 友達や親族など一部の債権者にだけ返済した
  • 債権者を故意に隠した
  • 裁判所への嘘の供述を行った
  • 裁判所などが行う調査へ非協力的な行為をした

自己破産後もできること

自己破産後も生活保護の申請はできる

いちど自己破産をしてしまうと生活保護の申請をすることができなくなってしまうと言うのは多くの人が勘違いしていることです。
しかし自己破産をしても生活保護の申請は全く問題なくできます。
自己破産をしてしまうと今後10年間は借金することができなくなってしまいますから、生活保護はあなたの生活を助けてくれるでしょう。
もし生活保護を受けられなくなってしまうと自己破産した人は暮らせなくなってしまうと言う人がたくさん出てしまいますから、ここは覚えておいてください。

自己破産後も年金は受け取れる

自己破産をしてしまうと年金を受け取ることができなくなってしまうと誤解している人も多いようですが、自己破産をしても年金は無事に受け取ることが可能です。
年金は差し押さえることができない財産として法律によって保護されています。
そのため自己破産をしたからといって年金を取り上げられる事は無いのです。
自己破産をすると年金を受け取ることができなくなるから自己破産はしたくないと思っている人は安心してくださいね。

自己破産後も通帳は作れる

もし自己破産をしてしまったとしても、銀行の口座の通帳を作る事は問題なく行うことができます。
自己破産をしてしまうと預貯金は解約しなければならない場合もありますが、新しく預金口座を開設することができるのです。
預金口座を開設することができると言う事は当然通帳を作ることも可能ですから、ここは保護されると思っていて間違いないでしょう。
ただし口座を作ったとしても入れるお金がないと意味がありませんから、あえて通帳を作る必要があるかどうかは疑問です。

自己破産後もスマホの契約はできる

自己破産をするとスマートフォンを契約することができなくなってしまうと思っている人もいるようです。
しかし自己破産をしたからといってスマートフォンを始め携帯電話の契約ができなくなってしまうと言う事はありません。

ただし最近のスマートフォンの端末は高額であるため、分割して購入する人が増えています。
スマートフォンの端末代金の分割購入は狼の1部になりますので、自己破産をした人は信用情報機関に自己破産した記録が残っている間は分割払いを利用することができません。

自己破産後も選挙で投票・立候補できる

自己破産をすると選挙で投票することはできなくなってしまうのでしょうか。
いいえ、そのような事は一切ありません。
あなたが自己破産することと選挙で投票する事は全く関係がないため、自己破産がしてもこれまでと同じように選挙に行って投票する事は可能です。
それどころか自己破産をしても立候補もすることが可能なのです。
世の中には自己破産の経験があるにもかかわらず政治家として立候補している人はたくさんいますから、そこは気にしなくても関係ないのです。

自己破産後も国内への引っ越しはできる

自己破産をすると引っ越しもできなくなってしまうと思っている人も多いようですが、国内で引っ越しするのは全く問題なく行うことができます。
確かにいちど破産してしまうとその間は海外へ引っ越しすることは難しいのですが、国内であればそういった制限はなく自由に動くことができるのです。
自己破産が認められた場合でも、国内へ引っ越す事は全く関係なく行うことができますから、その点についても必要以上に心配する必要は全くないでしょう。

自己破産後も出張や旅行はできる

自己破産をすると旅行にいけなくなってしまうと思っている人もいるようですが、自己破産をしても旅行することはできます。
もちろん自己破産をしたからといって出張ができなくなると言うこともなく、仕事の都合で出張に行くことも全く問題ありません。
自己破産をしたからといって移動の自由が妨げられる事は無いため、この心配をする必要はないでしょう。
ただし旅行に行くお金があるかと言うと話は別です。
旅行が禁止されるわけではないと言う事は覚えておいてください。

自己破産後も個人事業・自営業を続けられる

自己破産をしても、個人事業や自営業を続けていく事は可能です。
確かに自己破産をすると財産を処分する必要があるため、仕事で使っている在庫や機材などは処分する必要があるかもしれません。
しかし必ずしも処分しなければいけないと言うわけではなく、裁判所と相談してケースバイケースになります。
事業を続けていかなければ今後の生活にも関わってくるため、仕事を続けていくのは全く問題がありません。工夫して続けていきましょう。

自己破産後にできなくなること

養育費を全額受け取れなくなる(半分のみ受け取り可能)

自己破産をすると、養育費を受け取ることができなくなってしまいます。
養育費を受ける権利と言うのは財産になるため、自己破産をしてしまうと差し押さえの対象になってしまうからです。

しかし養育費の半分は差し押さえ禁止財産として定められているため、自己破産をしたとしても養育費の半分はそのまま受け取ることができます。
実際のところは、養育費は全額受け取るように調整してくれることもあるようですので、こちらも弁護士と相談することになるでしょう。

金融機関からの借り入れが10年間できなくなる

自己破産をしたと言う事は、借りたお金が返せなくなってしまったと言うことです。
金融機関からの信用がなくなってしまいますから、金融機関からお金を借り入れることができなくなってしまうのです。
自己破産をするとその事実は10年間信用情報機関に残ります。
信用情報機関に事故情報が残っている状態をブラックリストに掲載されていると言いますが、ブラックリストに掲載されている間は金融機関からお金を借りることはできません。

破産手続中は国家資格を伴う仕事ができなくなる

破産手続き中は、公的な資格を使った仕事をすることができなくなってしまいます。
公的な資格とはどのような資格かと言うと、簡単に言えば国家資格です。
例えば弁護士、公認会計士、医師、看護師、放射線技師などです。
こうした仕事を行っている人は、自己破産を行うときには慎重に行動してくださいね。
ただしずっとこれらの仕事ができなくなると言うわけではなく、破産手続きが終わればまた利用できるようになります。
意外と知られていないことなので注意してください。

破産手続中は住居の移転ができなくなる

自己破産をすると、住居の移転ができなくなります。
しかしずっとできないと言うわけではなく、こちらは破産手続き中のみです。
なぜできないのかと言うと、自己破産の手続きを行っている最中に夜逃げをして行方をくらませることができないようにと言うことです。
実際には連絡が取れるような状態を保っておくと言う意味がありますから、きちんと手続きを行えば引っ越しが認められる場合もあります。
ただし破産手続き中は引っ越しは行わない方が無難でしょう。

家を借りる際に賃貸保証会社が使えなくなる

自己破産をしていると、賃貸保証会社を使って住宅を借りることができなくなってしまいます。
一般的に賃貸住宅を借りる場合は家賃が払えなくなってしまったときに代わりに払ってくれる保証人を立てるのが一般的ですが、保証人を誰にもお願いできない場合は賃貸保証会社を保証人として住宅を借りることになります。
しかし自己破産を行うとあなたに信頼がなくなってしまうので、賃貸保証会社が保証人として利用できなくなってしまうのです。

自己破産が7年間できなくなる

自己破産を認められてから7年間の間は、もう一度自己破産を行うことはできません。
自己破産の申請をする事は自由ですが、免責が認められることがないのです。
自己破産は大変なことですから、短い間に何度も何度も繰り返し自己破産をされては困ると言う国の意思の表れでしょう。
そもそも自己破産をしてから10年間の間はブラックリストに掲載されていてお金を借りることができないため、自己破産をしようにもできないと言う事実はあります。

給与所得者等再生が7年間できなくなる

さらに自己破産をするとできなくなることに、給与所得者等再生があります。
これは債務方法の1つですが自己破産と同様にこちらの処理もできなくなってしまうのです。
ただこれも自己破産と同様に、いちど自己破産をするとブラックリストに掲載されてお金を借りることができなくなってしまいますから、もう一度破産をしなければいけなくなるような状況になってしまうとは考えにくいですね。
ルールとして定められていると言うことで、実際にするかどうかはまた話は別です。

自己破産後に免除されること・されないこと

さてここからは、自己破産をすると免除されることとされないことについて解説していきたいと思います。自己破産をするとどんなことをしなくてよくなり、どんな事はしなければいけないのでしょうか。ここから説明することを知っておけば、今後自己破産をする上で参考になるはずです。それではまず自己破産をすると免除されることについて解説していきたいと思います。果たして自己破産をするとどのような責任から逃れることができるのでしょうか。

自己破産後に免除されること

借金の支払いが免除

自己破産をすると一番のメリットが、借金を支払わなくてもよくなることです。
自己破産は借金の支払いの義務から解放されるための手続きです。
借金から解放されるために行う手続きですから、当然自己破産をすると借金を支払う義務がなくなるのです。
これを目的に自己破産をするのですから当然と言えば当然ともいえますが、借金から解放されるのは想像以上に開放感があることです。
取り立てられることもなくなりますし、自由で清々しい日々が待っています。

奨学金の支払いが免除

自己破産をすると奨学金の支払いを行う必要もなくなります。
奨学金とは学校を卒業するために借りる借金ですから、自己破産をすれば支払わなくて済むのは借金を支払わなくてよくなるのと同じ原理になります。
奨学金の中には利子が発生するものもありますが、当然自己破産をするとその利子からも解放されます。
大学を卒業するためにたくさんお金を借りていたとしても、全てチャラになりますから気が楽になりますね。
自己破産をして奨学金がなくなることも知っておいてください。

自己破産後も免除されないこと

税金など公的料金の支払いは免除にならない

自己破産をしてもしなければならないこととしては、税金など公的な料金の支払いが挙げられます。
税金の支払いは自己破産をしても免除されないのです。
税金は日本で生活していくために支払わなければいけない義務ですから、当然と言えば当然ですね。

さらに税金以外にも、公的料金などは支払いを行う義務があります。

自己破産後も免除にならない公的料金
  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料
  • 罰金

自己破産をすれば一切のお金を払わなくても良いというわけではないということを覚えておいてくださいね。

養育費の支払いは免除にならない

自己破産しても決められた養育費は支払う必要があります。
自己破産をすると養育費の支払いの義務も免除されると勘違いしてる人も多いのですが、ここはしっかりと確認しておきたいポイントです。
なお養育費をもらう場合はどうなるのでしょうか?
先ほども少し解説しましたが、養育費をもらう側の場合には少なくとも半分は受け取ることができます。
状況によっては全額受け取ることもできないわけではありませんから、弁護士や裁判所に相談すると良いでしょう。

自己破産した人の体験談

ここまで解説した内容で、自己破産をするための流れについて理解していただけたと思います。
自己破産をするためにはなかなか大変で時間がかかる事は仕方のないことです。
またプラスで費用も必要になるので、何とか捻出してください。自己破産の手続きは大変ですが、裁判所に認めてもらうことができれば新しく生活を立て直すことができるようになります。
途中でめげずに最後までやり抜くようにしてくださいね。
実際に自己破産を体験した人はみんな自己破産をして良かったと思っているようです。

Aさん:私は20代の頃自己破産をしてしまいました。自己破産をすると提出する書類がたくさんあって大変でしたが、弁護士さんにお願いして何とかすることができました。たくさんの借金があって非常に苦しかったのですが、自己破産をすることで気が楽になりました。新しい生活を始めることができたので、今では自己破産をして良かったと思います。

自己破産の方法・流れ

この記事を読んでいる人のほとんどは、自己破産をどうやってすればいいのかわからない人でしょう。
確かに自己破産をしたことがある人はそれほど多くないはずですから、それも当然のことです。
自己破産を行うステップは以下の6つです。

  1. 弁護士へ依頼を行う
  2. 借入先への自己破産の通告してもらう
  3. 書類の準備
  4. 裁判所での説明
  5. 財産の売却
  6. 免責が認められる

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。
まずは弁護士へ依頼するところからスタートです。

自己破産の手順①:弁護士に依頼する(期間:1週間程度)

自己破産をする時には、まずは弁護士に依頼をします。
自己破産をするためには必ず弁護士に依頼しなければいけないというわけではありません。
しかし自己破産の手続きは非常に難しいので、法律の素人である一般の人が自己破産を自分で行うのはおそらく無理な話でしょう。
なお弁護士にお願いするためのお金がないという場合には、法律に関する公的な相談所である法テラスを訪れると良いでしょう。
親身になって相談に乗ってくれて解決策を提示してくれます。

自己破産の手順②:借入先に自己破産の通告を行う(受任通知の送付)(期間:即日)

弁護士に自己破産の手続きをお願いした後は、依頼された弁護士は借入先に自己破産の通告を行います。
これは、お金を貸してくれた人や企業に、差し押さえや返済の催促などをやめてもらうために行います。
この手続きを行うことで借金の取り立てから逃れることができるのです。
自己破産をするためには絶対に必要な手続きです。
とは言え、弁護士さんにお願いすれば全てやってくれますから、あなたが何かしなければいけないと言うことではありません。

自己破産の手順③:必要書類を準備する(期間:3カ月)

弁護士に自己破産の手続きの依頼をして無事に借入先への自己破産の通告を送ったら、次に自己破産手続きで必要になる書類の準備を行います。
これは裁判所に自己破産手続きの申請を行うために必要な作業になります。
自己破産を認める機関は裁判所ですから、裁判所がしっかりと認めてくれるようにわかりやすく書類を作成する必要があるのです。
実はこの申請作業がとても大変で、多くの書類を準備する必要があります。
自分で用意することもできなくないですが、弁護士にお願いしたほうが良いでしょう。

自己破産申立てに必要な書類一覧
  • 破産手続開始及び免責申立書
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 資産目録
  • 自動車の査定書
  • 車検証の写し
  • 保険証券の写し
  • 保険解約返戻金証明書
  • 給与明細書の写し
  • 源泉徴収票の写し
  • 退職金を証明する書面
  • 家計収支表
  • 住民票(本籍が省略されていないもの)
  • 戸籍謄本
  • 不動産登記簿謄本
  • 市民税・県民税課税証明書
  • 預金通帳の写し
  • 賃貸契約書の写し
  • 年金等の受給証明書の写し

これらの書類を自分で用意するのは大変ですが、弁護士・司法書士に依頼している場合はあなたに代わって作成してくれます。

自己破産の手順④:裁判所で説明する

裁判所に書類を提出すると、その書類について説明を行うことになります。
どのような説明を行うかと言えば、なぜ自分が破産することになってしまったのかを説明するのです。
自己破産の手続きを行う場合には裁判官、弁護士とあなたの面談が行われます。
ここで嘘をついてしまったり見栄を張って事実と異なることを言ってしまうと後々不利になってしまうことがあるので、正直に説明しましょう。
いずれは調べればわかることだからです。

自己破産の手順⑤:財産を売却する

裁判所にどうして自己破産をすることになってしまったのか説明を行ったとには、あなたの手元に財産がある場合には、その財産の売却を行います。
売却した財産はどうなるかと言えば、後でお金を貸してくれた人に分割して返還されることになります。
なお財産の売却をする処理を行う時には、裁判所に10~30万円程度のお金を支払う必要があります。
お金がないのから破産するのにさらにお金が必要なの?と疑問に思うかもしれませんが、このお金は絶対に支払うべきものです。

預金

自己破産で処分対象になる財産としてまず挙げられるのは預金です。
現金はそのままお金を貸してくれた人に返すことができるわけですから、当然と言えば当然でしょう。
あなたが持っている預貯金は、一定額を残して全て返済することになります。
とは言え、突然全てがなくなってしまうと言うわけではありません。1部はあなたの自由財産として手元に残してもらうことができます。
生活をやり直すために必要とみなしてもらうことができるからです。

自動車

あなたが持っている自動車も処分の対象となってしまいます。自動車も売却すればまとまったお金を得ることができますから、そのお金はお金を貸してくれた人に少しずつ返済することになるわけです。車を売ることにより移動手段がなくなってしまいますが、これも仕方のないことです。例えば小さいお子さんが居る家庭の場合は車がなくなってしまうと生活に困るなどのも発生するかと思いますが、基本的に自動車は処分の対象になってしまうんです。

持ち家

自己破産で処分対象になる財産としては持ち家も挙げられます。
住宅や不動産と言うのはそれなりに資産価値があり売却すれば借金返済に役立つことができますから、当たり前の話ですね。
ただし、住宅ローンの残高が家の資産価値を上回っている場合には処分対象にならない場合があります。
それぞれのケースは裁判所の判断によって異なりますから、弁護士に相談してみると良いでしょう。
基本的に用いれば没収されると思って間違いありません。

借家・借地

借家や借地も処分対象になります。
借家とは他人から借りている家のことであり、借地とは他人から借りている土地のことです。
他人から借りている家や土地も自己破産をすると処分されてしまうんですね。
自己破産をすると借金を支払わなくて良いくなる反面、失うものが大きいこともわかりますね。
基本的に価値がある財産は全て処分の対象になってしまうと言うふうに覚えておくと良いかもしれません。
もしそれが嫌なのであれば、自己破産以外の手続きをとることも考えてください。

退職金

非常に残念な話ですが、自己破産をしてしまうと退職金も処分の対象となります。
退職金はサラリーマンの財産でもありますが、自己破産をするとそれも処分されてしまうのです。
なお全ての退職金が処分の対象になるわけではなく、処分対象になるのは、現時点で退職した場合に受け取ることになる退職金です。
とはいえ、これまでコツコツと溜めた退職金がなくなってしまうのは悲しいことです。
どうしても退職金の処分が嫌なのであれば、他の方法を選択することも考えてください。

生命保険の解約返戻金

自己破産をすると生命保険を解約したときに戻ってくる解約返戻金も処分の対象となってしまいます。これまでコツコツとかけ続けてきた生命保険を解約したお金が没収されてしまうのはとても辛いと思いますが、借金が払えなくなってしまったので仕方ないですね。自己破産が認められてもう一度生活を立て直した後に保険をかけ直すことでカバーするしかないようです。

生命保険を解約しなくて済むかどうかは裁判所の判断になりますから、弁護士と相談してください。

給与( 1/4を限度とする)

自己破産で処分されてしまう財産は給料もその対象となっています。
しかし給料の全てが処分の対象となるわけではなく、4分の1を限度とする給料です。
自己破産をしたからといってお金は一切払わなくて良いと言うわけではなく、払える分はしっかりと徴収されるわけです。
とは言え、あなたがよほど高給取りではない限り給料は処分の対象とならないこともありますので、こちらのケースに関しても裁判所とよく相談してください。
もしかしたら処分の対象にならないかもしれません。

自己破産の手順⑥:免責

さて、話を自己破産の流れに戻しましょう。
自己破産の手続きの最後に免責が行われて、無事に自己破産が完了します。
裁判所から免責許可が確定された場合には、借金を返済しなくて良くなります。
そもそも自己破産にはどのくらいの時間がかかるかと言えば弁護士に相談してから3~6ヶ月程度です。
もちろんケーズバイケースでそれ以上に時間がかかってしまうこともありますが、大体このくらいの時間を想定しておけば間違い無いでしょう。

管財事件の手続きの流れ

破産手続きの開始決定以降は、管財事件(少額管財事件)のケースと同時廃止のケースで流れが異なります。
それではここからはそれぞれで手続きを確認しましょう。
まずは管財事件の手続きの流れについて解説します。
同時廃止とはどんなところが異なるのかしっかりと理解して、どう言った手続きがスタートするのか知っておくことは大切です。
まずは少額管財事件となる場合についての手続き方法について詳しく掘り下げていきましょう。

少額管財事件となる場合

以下に紹介するような事情がある場合には同時廃止ではなく少額管財事件になります。

  • 一定以上の財産を持っている
  • 個人事業主である場合
  • 免責不許可事由がある場合

ただしこのケースに該当する場合であったとしても債権者数が300名以上と非常に多数の場合などは少額管財事件ではなく通常の管財事件となる場合もあります。
とは言え、通常の管財事件となるのは破産者が法人のケースが一般的であり、個人の場合には少額管財事件になることが多いと理解してください。

破産管財人との面接(期間:即日)

少額管財事件となる場合には、破産手続きが開始されるのと同時に破産管財人が選任されます。
そして破産手続きがスタートしてから1週間から2週間後に管財人の事務所で管財人との面接が行われることが一般的です。
この面接では、どうして借金をしてしまったのかその理由や内容を聞かれることでしょう。
また財産の内訳や収支などについて聞かれます。
あまり警戒せず、基本的には管財人から質問された内容について素直に、そして正直に回答すれば問題ありません。

破産管財人による換価処分(期間:3カ月程度)

管財人との面接後、破産管財人が換価処分を行います。
つまりあなたが今持っている財産が売却、処分されてしまってそのお金が借金の返済に当てられるということです。
このとき換価すべき財産の数、種類によって、かかる期間は大きく異なります。
財産がたくさんあればそれだけ時間がかかるでしょうし、売却するだけの財産が少なければあっという間に終わってしまいます。
大まかには、大体3ヶ月程度の時間を見ておけば済むでしょう。

債権者集会(期間:即日)

破産手続きをスタートしてから3ヶ月程度で、債権者集会が開かれます。
これは債権者に経過を報告し、債権者の意見を聴くことが目的です。
しかし個人の破産の場合は特別な事情がない限り債権者は出席しないことが一般的です。

債権者集会では、破産管財人から事件の概要や、財産・収支の報告が行われますが、大きな問題がなければおよそ5分程度で終わります。
あくまで形式的なものであることは理解しておきましょう。
なおこの時点で破産管財人による財産換価が全て終了していれば、債権者集会は1回で終わりです。

免責審尋(期間:即日)

次に免責審尋が行われます。
この免責審尋とは、裁判官があなたと面談をして借金をなくしてしまっても良いか判断するためのものです。
とは言え、あなた自身が発言することはほとんどなく、実際には破産管財人が免責に関する意見を述べる程度で終了します。
免責審尋は、債権者集会が終了するとそのまますぐに開催されることがほとんどです。
つまりその日のうちに開催されると思っていて間違いありません。
あまり肩肘貼らずに、されるがまま素直に従っていれば問題ありません。

同時廃止となる場合

最後に同時廃止の手続きの流れについて解説します。
少額管財事件(管財事件)となる事情がないときには、破産手続きはそのまま同時廃止の手続きになります。
この同時廃止に該当する場合には、破産手続き開始と同時に手続きを終了させるため管財人による調査や財産処分などがありません。
同時廃止の場合ではこれが決まったタイミングで免責審尋の日程が決まります。
およそ2週間程度と覚えておきましょう。
いよいよ最終ステップであり免責許可決定について説明します。

免責許可決定(期間:2カ月程度)

免責審尋から約1週間程度で裁判所から「免責許可決定」が出されます。
そうすればようやく借金の返済が裁判所が免除されることになるわけです。
ここまではおよそ1ヶ月で免責許可決定日から免責許可決定が確定します。
なおぶじに免責許可決定が確定すれば、今後あなたが背負っていた借金を返済する必要はなくなります。
同時廃止であれば早くて6ヶ月程度、少額管財であれば6ヶ月~1年程度がおおよその目安です。
長かった手続きもこれで完了です。

自己破産が家族に及ぼす影響

このように、自己破産をするといろいろな影響があると考えられていますが実はそのような事はないと言う事は理解していただけたと思います。しかしやはり自己破産をしてしまうと何かしらの影響が残るのは間違いありません。そしてそれがあなた自身ならまだ良いのですが、家族影響を超す可能性もあることを覚えておいてください。果たして家族にどんな影響を及ぼしてしまうのか、自己破産が家族に及ぼす影響について解説していきたいと思います。

同居家族全体への影響

自己破産では多くのケースで、持ち家や車など資産価値のある財産は没収されます。
そのため、住む場所がなくなって引っ越しを余儀なくされたり、車がないなど不便な生活を強制されることになるかもしれません。
もしそうなってしまった場合、家族に影響を及ぼす事は避けられないでしょう。ストレスをかけてしまうことも十分に考えられます。
そのため、もし自己破産をすることになってしまった場合は事前に家族に説明したり家族間の協力が重要です。
ただし持ち家に関しては手放さなくて済むような債務整理手続もあります。

配偶者への影響

自己破産をすることによって発生する悪影響、ブラックリストに掲載される・職業制限・住所制限などは、本人のみが負うもので配偶者は全く関係がありません。
結婚しているからといって自己破産した人の迷惑を被る事は直接的には無いのです。
また、配偶者が保証人でない限り、立替えや請求をされるといった直接的な影響はありません。
配偶者名義の財産を没収されるなどの影響もないでしょう。
しかし破産者名義の不動産や自動車は基本的に処分・換価の対象とされてしまうため、ノーダメージというわけではありません。

親族への影響

配偶者や子供への影響も直接的ではありませんから、親族への影響もそれほど心配する必要はありません。
自己破産をしたからといって親族に迷惑をかける心配をしなくても良いでしょう。
ただし、親族が保証人になっている借金を持っている場合は、その支払いが親族に及ぶ可能性が十分に考えられます。
保証人の付いている借金がある場合は、事前に保証人とよく話し合う必要がありますし、場合によっては共に自己破産をすることも検討しなければならないでしょう。

子供への影響

もしあなたが自己破産してしまっても、直接的に子供に影響が及ぶ事はありません。
あなたが自己破産したからといって学校を退学させられることもありませんし、それが学校に公表されることもないでしょう。
ただし持ち家を売却することにより引っ越しを強いられる、車がなくなって不便になるなど間接的な影響は避けられないかもしれません。
また自己破産をすることにより解約返戻金が20万円を超える保険、例えば学資保険含は換価の対象になり得ます。

これって本当?自己破産でよくある誤解

自己破産と言うと悪いイメージばかりが先行していますが、実際は誤解されていることもたくさんあるのです。
そこでここからは自己破産について誤解されがちなポイントについて詳しく解説していきたいと思います。
しっかりとここからの文章を読めば、あなたがいかに自己破産に対して間違ったイメージを持っているかと言うことに気づくと思います。

住宅ローンが組めなくなる?

自己破産をすると一生住宅ローンが組めなくなると考えている人もいるようですが、これも大きな誤解です。
確かに自己破産をしてしまった場合、信用情報機関にその事実が記録として残るため、信用情報機関からこの情報が消え去るまでの間は住宅ローンを組むことが非常に難しくなるでしょう。
しかし信用情報機関の掲載情報は長くても10年程度で消えてしまうため、それ以降であれば住宅ローンは問題なく組むことができるのです。
このような理由により、一生住宅ローンが組めなくなると言う事はあり得ません。

保険が契約できなくなる?

自己破産をしてしまうと保険の契約ができなくなってしまうと考えている人もいるようですが、そのような事実もありません。
保険と自己破産は全く関係なく、破産した人でも生命保険や病気のために備える保険に問題なく加入することが可能です。
自己破産をすると自殺するリスクが高まるため保険の契約ができなくなると誰かがデマを流したのかもしれません。
ただし、自己破産をしてしまうとその間は保険契約に携わる職業に就くことができないため注意してください。

賃貸物件や携帯電話の契約ができなくなる?

自己破産をしたことで、賃貸住宅などの契約ができなくなることは基本的にありません。
とは言え、賃貸住宅を借りるにあたり保険会社の審査を利用しなければいけないときには、ブラックリストに登録されている間は、保証会社の審査に通らないことがあります。
最近はスマートフォンの端末も高くなってきたので、分割払いで購入する人も多いでしょう。
しかし分割払いはローンの対象となるので、ブラックリストに掲載されている事は携帯電話を分割購入することができません。

勤務先から解雇される?

自己破産をするとそのことが勤務先にばれて、会社をクビになると考えている人もいるようです。
実はそのような事は絶対にありません。
例えば勤務先から借入れ等をしていない限りは自己破産したことが会社に伝わることも基本的にはないはずです。
かりに勤務先が破産の事実を知ったとしても、それを理由にして直ちに従業員を解雇することは間違っています。
会社としてもそんなに適当なことをしてトラブルのもとを抱え込むのは嫌でしょうから、会社をクビになると言うのは大きな間違いといえます。

勤務先などに知られてしまう?

そもそも仕事をクビになる以前に、あなたが自己破産した事は会社等の勤務先に知られてしまう可能性があるのでしょうか。
基本的にあなたが会社にそのことを説明しない限り、あなたが自己破産したことを会社が知る術がありません。
自己破産はあくまでも個人的なことであり、わざわざ会社に報告が行く事は無いからです。
しかし先ほども解説したようにあなたが自己破産した事は官報に掲載されるので、それを会社の誰かが確認した場合にはこの限りではありません。

選挙権をはく奪される?

自己破産をしてしまうと選挙権を剥奪されてしまうと考えている人もいるようです。しかしそのような事はありません。
選挙権は成人の権利であり義務です。自己破産をしたからといって選挙権が剥奪されることは絶対にありえないことです。
さらに、自己破産をしてしまったとしても選挙に立候補することも可能です。選挙と自己破産は全く関係がないことを知っていてくださいね。

過去に自己破産をしても政治家になった人もたくさんいます。

税金や養育費も免除される?

自己破産をすると税金を支払わなくて良くなると勘違いしている人もいるようです。
また離婚した人の場合養育費の負担がなくなると喜ぶ人もいるようです。
果たしてそのようなことがあるのでしょうか。
いいえ、そのような事はありません。
免責の許可がおりたからといって全ての債務がなくなるわけではありません。
裁判所から許可がおりても支払いの義務が残る債権のことを「非免責債権」と呼びます。

非免責債権には

  • 滞納している年金、健康保険、住民税などの税金
  • 損害賠償請求権
  • 婚姻費用、養育費
  • 破産者が故意に債権者一覧に載せなかった借金

があります。

パスポートが持てなくなる?

自己破産するとパスポートを持てなくなってしまうため、海外にいけなくなってしまうと思っている人も多いようです。
しかし自己破産をしてもパスポートは全く問題なく所持できます。
というのもパスポートに自己破産の情報が記載されることはなく、出入国の審査の際に自己破産について問われることもないからです。
あなたが自分のお金で海外に行くのは、自己破産とは全く関係がないことです。
ただし、破産手続き中は居住地を離れるために裁判所の許可が必要になるため、海外に行くために制限はあります。

自己破産したことが戸籍や住民票に記載されてしまう?

自己破産をするとその事実が戸籍や住民票に記載されてしまうため、今後の生活がやりにくくなると考えている人もいます。
しかしそのような事はありません、戸籍や住民票にあなたが自己破産したのですが記録される事は一切ありません。
あなたが自己破産したと言う事は信用情報機関には自己情報として掲載されますが、それ以外の公的な書類等にその情報が掲載される事は無いのです。
そのため結婚に不利になるとかそのような心配する必要はありません。

自己破産に強いおすすめ法律事務所5選

破産手続きは非常に複雑であり、得意な弁護士とそうでない弁護士がいます。
せっかくお金を払って弁護士をお願いするなら、自己破産が得意な弁護士にお願いしたいですね。

はたの法務事務所

はたの法律事務所は20万件以上の相談実績を持つ司法書士事務所です。
この事務所に相談をすると、その道40年以上の経験がある司法書士があなたの自己破産手続きをしっかりと援助してくれます。
こちらの事務所は着手金が無料なので現金を持っていなくても相談しやすいと言うメリットがあります。
しかしこちらは司法書士法人なので「書類作成」しかすることができません。
弁護士を雇う場合は、次に紹介するベリーベストがおすすめです。

東京ロータス法律事務所

東京に住んでいるのであれば、東京ロータス法律事務所も自信を持ってお勧めできる弁護士事務所です。
こちらは借金問題の解決や債務整理に強みがある弁護士事務所です。
東京ロータス法律事務所ではこれまで6000件以上の依頼を受けてきた実績があります。
そのため安心して依頼することができますね。
東京ロータス法律事務所は相談だけなら何回でも無料で、土日でも対応してもらうことができます。
平日は仕事があるので土日に相談して欲しいと考えている方にお勧めです。

ひばり(名村)法律事務所

ひばり法律事務所もお勧めできる弁護士事務所です。
かつて名村法律事務所でしたが、新しく独立してこの名前になりました。
こちらの弁護士事務所が得意とする分野は債務整理とネットトラブルです。
さらに女性弁護士も在籍しているため、男性には相談しにくいと感じている方、特に女性にお勧めできる事務所なのです。
依頼するときに発生する費用に関してもわかりやすく明確に説明してくれるので、不安を感じずに気軽に依頼できますね。

天音総合法律事務所

最後に紹介するのが天音総合法律事務所です。
こちらの弁護士事務所は債務整理以外にもさまざまな法律問題に対応してくれる総合的にいろいろな分野に強い法律事務所です。
事務所では相談を24時間受け付けており、しかも相談料は無料と太っ腹です。
天音総合法律事務所は、自己破産をするときにはあなたを中心とした弁護士中心の専門チームを作って対応してくれます。
そのため時間のかかる債務整理をスピーディーに進めてもらうことができます。

弁護士法人・響

弁護士法人・響も自己破産で知られた弁護士事務所です。
こちらの事務所にはたくさんの男性・女性弁護士が在籍しており、とにかく丁寧な対応を受けることができます。
利用するにあたって発生する費用については、必ず事前にはっきりと説明してもらうことができます。
これまでの問い合わせ、相談実績も6万3000件を超えており、しっかりと実績のある弁護士事務所です。
東京都新宿区に事務所があるのでアクセスも良好です。
悩んだときにはこちらもお勧めです。

ベリーベスト法律事務所

ベリーベスト法律事務所は全国に拠点を持つ大手弁護士事務所です。
テレビCMなどで宣伝していますから、聞いたことがある人も少なくないのではないでしょうか?
過払金の法律事務所としても有名ですね。
こちらの弁護士事務所は債務整理・過払金に強く、専門の弁護士チームが常駐しています。
そのため書類作成から裁判が終わるまで一括してサポートが受けられます。
コストが高くなってもしっかりと自己破産手続きを行いたい!という方にお勧めです。

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